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「お兄…ちゃん?」
「ズル休みか?」
そう言って豪快に笑うお兄ちゃん。大学生のお兄ちゃんは、今は一人暮らしをしていて、前に会った時よりなんだか大人になっている。
「体調、悪い」
「嘘だね。空の嘘なんてすぐ分かるよ。何年空の世話したと思ってんだ」
またお兄ちゃんは笑う。なんでも笑い飛ばすように、あはははって。
「さ、何があったか聞こうか。空、話してくれる?」
「………」
「沈黙は肯定でいいかな?」
「………」
「ちょっと待ってて。ココア入れてくる」
お兄ちゃんは1人で喋っている。うん。そういう人。私の悩みは、人に言うほど大したものじゃない。私が抱えきれなくなっただけ。別に…お兄ちゃんに迷惑なんてかけたくないのに…。
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