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「お兄ちゃん…怖かった。すっごく怖かった。でも、誰にも言えなくて…」
「そっかそっか。もう大丈夫だよ。お兄ちゃんがいるからね」
久しぶりにお兄ちゃんに抱きしめられて、涙が枯れるまで泣いた。中学生になるのに恥ずかしい。だけど、何年も出なかった涙が、お兄ちゃんの胸の中だと自然と出てきた。
何回も何回も、大丈夫って言ってくれるお兄ちゃんは、私の背中を優しくさすってくれた。ずっとずっと。
涙も枯れて、疲れた私はいつの間にか寝しまったらしい。
「……うぁ」
「お、空起きたか?」
「うん」
「おはよう。もう大丈夫?」
「おはよ…。大丈夫」
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