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「想像以上じゃない」
「そうね。これなら映えそう」
「剥製を作るのはどこでやるんですか?」
理恵たちは剥製を作っている事を貴代から聞き、プランを練ってこの場に立っている。スポーツバッグには道具があり、簡単な準備はしてあった。
「地下室だけど」
洸太は女子高生の積極さにあたふたし、地下室は流石に不味いと思ったが、指を差してからポマードでセットした髪を掻きむしり、曖昧な返答をして阻止する。
「散らかっているから、見ない方がいい」
「気にしないで」
「ありのままのでいんだよ」
「サイコパスだからって、関係ないじゃん」
準備したマスクと手袋を装着すると、洸太の静止を振り切って三人の女子高生が地下室のドアを開け、鼻を突く薬品の匂いと血生臭い死臭に顔を顰めて階段を降りて行く。
「あっ、明かり」
洸太が慌てて壁のスイッチを入れ、テーブルの作業台の血の染みが天井の蛍光灯に映し出され、理恵と裕子がスマホを構えて写真を撮り出し、美紀はスポーツバッグから照明機器や撮影用のスタンドを出してセッティングする。
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