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双子座の両性具有者
上原貴代は誰も信じないと思い、亡くなった夫にも秘密にしていたが、斎藤家に乳母として雇われて、その赤ちゃんが双子座で男の子と女の子の性器を持っている事を知り、『私の赤ちゃんの魂が入っている』と確信した。
「だから斉藤家が不幸になり、私は責任を感じて、なんとかコウタさんには幸せになって欲しいと願った」
「お母さん。もしその子が産まれていたらどっちだったの?性別、聞いてたんでしよ?」
「弟だよ……」
貴代は流産した時の痛みと、我が子が蘇ったかもしれないと云う不思議な高揚感を思い出し、「ホラーだ」と理恵が呟くのを聴いて苦笑する。
『サイコパスになったのは必然か?』
「なるほど。偶然が重なり、妄想へ発展したと思うけど、お母さんの悲しみを晴らす為にも、理恵を応援してみるか?」
「ほんと?ありがとう。マジでがんばるよ」
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