双子座の両性具有者

2/2
前へ
/13ページ
次へ
「しかし、万全を期して緊急時の対処を決めておく事。刺激して犯罪者にしてしまったら、本末転倒だからな」  真司は幾つか条件を付けて了承し、美代子はまだ反対だったが、貴代に頭を下げられて許可するしかなかった。 「催眠スプレーとか、武器を用意した方がいいわよ」 「いや、サイコパスは繊細な神経を持ち、察知能力が高く頭も良いから、バレたら逆に激昂して危険だ」 「あなた海外ドラマの見過ぎよ。それにサイコパスって決め付けるのも失礼たわ」 「とにかく、訪問日は休日の昼間。お父さんとお母さんが近くで待機しているから、何かあったらスマホで連絡しなさい」 「そうね。私たちはバットとか木刀を用意しておきましょう」 「また、随分と大事になったわね」  貴代がそう言って微笑み、その日の話し合いは終了して後日日程を決め、一週間後の土曜日午後13時頃に斉藤家に訪問したいと洸太に連絡した。  洸太は貴代に提案された時から、女子高生に対する妄想が膨らみ、数日間落ち着かない日々を過ごし、無精髭を剃ったり、ボサボサの髪をハサミで切ったり、下着と服装をどれにするか悩んでシュミレーションに明け暮れた。 「わかりました。でも、貴代さん。ファッションだけ相談に乗ってもらえませんか?」 「良かった。断られたどうしようと思ってだけど、これで一歩前進したわね」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加