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「おいひ~」
「おいしいです」
お嬢さま方は、甘いお菓子に夢中である。
「助かりました。ジークさん、危うく腕がちぎれるところでした」
コバルトは、向かい合ってソファーに座っているジークにお礼を述べた。
「なぁ、コバルト気を利かせてお部屋にあげてやった俺にはお礼ないのか?」
「……
ホークおじさんありがとうございます」
「おまえ、マジでスカイに似てきたなぁ 棒読みで言うなや……」
俺達は今、場内に部屋を持つホークおじさんの部屋に上がらせてもらっていた。
「将軍おとなげないですよ。はるばる我々にこうして会いに来てくれたのですから、もっと可愛がって差し上げて下さい」
「ジークさん、もっと言ってやって下さい」
ホークは、ジークの横でむくれた。
『デカイおじさんがむくれてみせても可愛いくないですって……』
ジークは、ヤレヤレと思いながらもまだ手付かずの苺ジャムを、スコーンにトロリとのせてやると、ホークに向かってそれを、差し出した。
「ほら、将軍。この、苺ジャム僕の手作りなんですよ。食べてみて下さい。ほら、あ~ん」
「え? そうなのかぁ あ~ん。 うっ! うまいっ! めっちゃうまいっ!!」
『……男二人が急にいちゃつくのは、ちょっとみたくなかったな。でも、ジークさんがやるとなんでも許したくなるのは、何故だろう』
目の前でおきている光景に胸焼けをおこしながらコバルトは横でお菓子に夢中のシャインとドラゴン娘をみた。
「そう言えば、君、名前なんて言うの?」
コバルトは、ふと、疑問に思い訊いてみた。
「クリスです。旦那様」
ドラゴン娘は、俺に顔をむけるとそう言って返した。
「口にお菓子カスついてるぞ……後、できれば俺の事は、コバルトと呼んでもらえないか?」
俺が、クリスの唇についているカスを脱ぐてっやるとなにやら冷たい視線が横からながれてきた。振り向くと満面の笑みを浮かべているのだがうまく笑えていないシャインと目があった。
『恐すぎる……』
何か話題をくりだそうとしていたらまったく空気の読めないホークおじさんが
「おっと、そろそろ夕飯かぁ。カルム王に一緒に食事をとるように呼ばれたんだったな」
っと、言い始めてくれた。
すると、ジークが
「そうでしたね。お手伝いさん達を呼んで来て支度を整えて貰わないと」
っと、ソファーから立ち上がり部屋から早々と出てお手伝いさん達を呼びつけてくれた。
『助かった……正直あのままクリスとシャインに挟まれているのは避けたかった』
こうして、男の俺達は、そのまま部屋に残り支度をして貰い。女の子達は、メイドさん達に呼ばれて他の部屋へと出ていったのであった。
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