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そのままでいい Side流明
俺たちが付き合うことになった次の日に朝から瑠璃の家にお邪魔した。俺の家でも良かったが…夜兎が突撃してきたら困るしなぁ…
「瑠璃って俺のこと好きでいてくれたんだな。」
未だに信じられない事実を本人に確認する。
「うん。流明が私を好きなのは知ってたから待ってたけどね〜。待ってたんだけどなぁ……」
うっ……結構気にしてることをストレートに言われる…
「それに関しては本当にすみませんでした!!」
「いいよ別に(笑)」
「でもさ…『ここからは期待してるからね』」
急に近付いて来たかと思うと耳元で囁いてきた。瑠璃ってそんなに小悪魔的ではなかったと思うんだが。
いや、心当たりがあるな…
「別に無理してそれらしいことしなくてもいいぞ。ところでそれとはまったく関係無いけど、この前瑠璃が図書室から借りていった『ピュアデビル』って本は面白かったか?」
「何で知ってるの!?流明がいない時に借りたよ!?」
ここまで露骨に顔が赤くなることってあるんだな…その本の内容は知らんが、あいつが影響受けそうなのはそれくらいしかないだろうし。
「まぁ、図書室関連の仕事は8割俺がやってるからな。知り合いが借りてる本くらいは分かるぞ?」
「そうなんだ……じゃあ下手な本借りれないじゃん。」
「まず変な本借りるな。いつも本読まないくせに。あと、いっつもあんな感じだとそのうち心臓止まるからマジでやめてくれ。」
あ、いいこと思いついた。一歩瑠璃に近付く。
「でも…可愛かったからまたやってね」
瑠璃がうつむいて顔を手で覆ってしまった。俺Sっ気とかはないと思うんだがこれは良いな。というか可愛すぎて俺も直視出来ない。
お互いに撃沈した俺達はちょっと長い間、目も合わせず無言になった。
「『ピュアデビル』って面白かっ「面白くなかったから絶対読んじゃだめ!!」お、おう。わかったよ。」
バレないように読んでおくか。
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