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車に乗ると、すぐにアキにラインを入れる。
[終わったー!今から帰る。夕飯のメニュー決まった?]
[お疲れー!ハンバーグ。寒いから煮込みがいいかなって。野菜入ったやつ]
[いいねぇ。買い物できた?足りない物あったら買ってくけど]
[あのさ、『ル・ソレイユ』のシフォンケーキ買って来て]
[は?食材じゃなくて?アキ、ケーキなんて興味ないじゃん]
[でもハル、あそこのシフォンケーキ好きじゃん]
[そうだけど…別に今、それが激しく食いたい訳でもないし]
[たまには一緒に食べてみたいなって思ったんだよ。じゃ、よろしく]
…ま、いいけど…反対方向じゃねーか…。
地味に遠いし。
ライン画面を閉じ、マネージャーにその店に寄って貰うように頼んだ。
…俺は一刻も早くアキの顔を見たいのになぁ…。
何でシフォンケーキ?
あ、でもあれ、生クリームつけて食べるのも美味いんだよな。生クリームも買って帰るか…。
アキの口元にクリームついて、チュッなんて舐めて取ってやったりなんかして…。
おぉ…いかんいかん!
ストップ妄想!
まだ外だ!だらしない顔はできない!
ハルはチラッとバックミラーに目をやる。
マネージャーが真面目そうな顔で運転している様子を確認し、窓の外に目をやりながら、どうしてもニヤついてしまう口元を手で隠した。
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