50人が本棚に入れています
本棚に追加
うわっ!と言って逃げるハルだったが、何かを思い出しカバンを漁る。
「ね、これ、見た?今日のライブパンフレット。俺さ、この練習風景の写真、ヒドくない?」
アキの肩に腕を回し、横からパンフレットを目の前に差し出し自分の写真を見せる。
「こんなもんなんじゃないの?」
アキはそれをチラッと見ると、ハルの腕を避けながら答えた。
「え、アキには俺、もっとカッコ良く見えてないの?!
いや、この瞬間の写真選ぶのは悪意あるわ。あ、でも航輝の方がヒドいか、ダセェ…」
「真面目に働け。そこ邪魔」
パンフレットを見ながら笑っているハルの足に、アキは掃除機をゴツゴツ当てて、そこから追いやろうとする。
「ごめ〜ん、アキ。怒らないで!ちゃんとやるから」
目尻を下げて、アキの肩に絡みついて来るハル。
「別に怒ってないし」
こんなふうになるのは目に見えてたけど、この調子じゃ、朝になるんじゃないかとアキは溜息をつくのだった。
最初のコメントを投稿しよう!