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「ハル、マネージャーの迎え、11時過ぎって言ってなかったか?もう着替えて準備しないと…」
「そうだった!そうだったー!」
ハルは慌ててベッドから降りると洗面所とリビングを忙しなく行き来した。
程なくマネージャーから着信が入り、バタバタと玄関に向かう。
「アキ、ちゃんとここに居てくれよ!今夜こそリベンジだかんな!」
「へっ?何の?」
「いいから!ステイ!だぞ」
玄関までついて来て、キョトンとしているアキの首筋を掴んで引き寄せ、唇に軽いキスを落とした。
「行って来ます!」
そしていつもの爽やかな笑顔を振り撒いて、ハルはドアを出て行った。
「はあぁ〜……」
ドアが閉まるとアキは、廊下にしゃがみ込む。
いきなり抱き締めたり、キスしたり、嫁に来いとか、一緒にシャワーだとか、昨夜のリベンジだとか…。
ハルを好きな気持ちは確かだけど、頭がついて行かない…。
熱っぽい目で見たり、からかったり…。
かと思うと、爽やかを絵に描いたような眩しい笑顔を残して行きやがって…。
心臓が持たないんだよ…。
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