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４．スカした顔で颯爽とランウェイ歩くモデルのあいつが俺の前ではデレわんこ
新春開催予定で、メディアやバイヤーを集めて行われる、メンズブランドの新作発表会。
今日はその時に披露する衣装を着てランウェイを歩き、動きのチェックをする。
同時に、音楽、ライティング、タイムなどの最終確認も行われる。
ランスルーの前の個別リハーサルのようなものだ。
GOサインが出て、ハルがステージ中央から靭やかに歩き出す。
ランウェイの前で一度立ち止まりポーズを決めると、一瞬目を伏せてから顎をスッと上げ、ランウェイの先を強い眼差しで見据えながらまた歩き始めた。
普段は下ろして流している前髪を上げ、ワックスで動きをつけている今日の髪型は、キリッと眉尻が上がったハルの顔を、より精悍に見せている。
アッシュグレーの膝下ほどの長さの薄手ジャケットの裾が、ハルの動きに合わせて揺れる。
まるで蝶が華麗な花に群がるように、細く柔らかな色のスポットライトが、ハルの頭上をチラチラと追い掛けて行った。
ランウェイの端まで来たハルがターンをして後ろ向きになり、そのジャケットを脱ぐと、早春を感じさせる薄めのコバルトグリーンのシャツが現れる。
そのシャツ越しに分かる、ハルの肩や腕の筋肉、広い背中の造りは溜息が出るほど美しい。
背中越しに振り向くと、もう一度前を向き、初めて笑顔を見せる。
そしてすぐにターンをして、ジャケットを肩に担ぐようにしてランウェイを戻って行った。
【CKさんプレゼンツのエピソードタイトルです。
本編タイトルが決まらず困っていた作者に「こんなタイトルだけはやめてね！😭」と泣いて頼まれたのを、エピソードタイトルに採用させて頂きました。笑】
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