5.バレンタイン狂騒曲

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バレンタイン当日、送られて来たチョコを片手に、ハルの家に向かう。 ハルは前に俺が大失敗した煮込みハンバーグを作って待っててくれると言う。 本当ならチョコをあげるのも、手料理を振る舞うのも “ 彼女 ” の方だってよく聞くよね… ん?ちょっと待て… って何だ? え?俺が、?? ハルが、?? 待て待て待て!…考えてなかったぞ… いやでも、そうは言っても、ハルみたいにデカくてあんなに肩幅もあるなんて、考えただけでキモイ! いや、ちゃんとハッキリ言おう。 キモチワルイ…。 …って事は……? えーーーーーっ??!!(((;ꏿ_ꏿ;))) 今更かよ…って声も、どっかで聞こえそうだけど…。 取り敢えず、チョコはすっごく喜んでくれた! ハルの煮込みハンバーグはメッチャ美味(うま)かった! か、帰ってもいいかな…今日のところは…。 ダメだよな…。 俺は、年始から映画の撮影に入り、まるで東北地方の住人のようになっていて、都内にはたまに帰って来るだけで、暫く会えていなかった。 ハルはこの日に会えるのを、すごく楽しみにしていた。 ハルは今、シャワーを浴びている。 今夜はバレンタイン💕 うわーーーっ! ね、ね、寝た振り!! そう!俺は、早朝から深夜に及ぶ撮影を連日こなしていた。 ハルは優しいから分かってくれる。 寝た振り、寝たフリ、寝た振り、寝たフリ、寝た振………………………………… …………………………… 今夜もハルにとって悶々とした夜になってしまった事は、想像に難くない。
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