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バレンタイン当日、送られて来たチョコを片手に、ハルの家に向かう。
ハルは前に俺が大失敗した煮込みハンバーグを作って待っててくれると言う。
本当ならチョコをあげるのも、手料理を振る舞うのも “ 彼女 ” の方だってよく聞くよね…
ん?ちょっと待て…
彼女って何だ?
え?俺が、彼女??
ハルが、彼氏??
待て待て待て!…考えてなかったぞ…
いやでも、そうは言っても、ハルみたいにデカくてあんなに肩幅もある彼女なんて、考えただけでキモイ!
いや、ちゃんとハッキリ言おう。
キモチワルイ…。
…って事は……?
えーーーーーっ??!!(((;ꏿ_ꏿ;)))
今更かよ…って声も、どっかで聞こえそうだけど…。
取り敢えず、チョコはすっごく喜んでくれた!
ハルの煮込みハンバーグはメッチャ美味かった!
か、帰ってもいいかな…今日のところは…。
ダメだよな…。
俺は、年始から映画の撮影に入り、まるで東北地方の住人のようになっていて、都内にはたまに帰って来るだけで、暫く会えていなかった。
ハルはこの日に会えるのを、すごく楽しみにしていた。
ハルは今、シャワーを浴びている。
今夜はバレンタイン💕
うわーーーっ!
ね、ね、寝た振り!!
そう!俺は、早朝から深夜に及ぶ撮影を連日こなしていた。
ハルは優しいから分かってくれる。
寝た振り、寝たフリ、寝た振り、寝たフリ、寝た振…………………………………
……………………………
今夜もハルにとって悶々とした夜になってしまった事は、想像に難くない。
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