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「ア・キ、お・待・た・せ♡」
ベッドの上で背中を向けて横たわっているアキの隣に、ハルがドスンと飛び込むと、ベッドのスプリングでアキの身体が跳ねた。
…あれ?こんな衝撃にも反応なし…?
…ま〜たまた照れちゃって、寝た振りなんかしちゃったりして…
ホントこの “ 照れツン男子 ” さんは…。
後ろから頬を人差し指でツンツンしながら声をかける。
「お〜い、ア〜キちゃん??」
「…………」
ええーーっ?!
またかよーー!!
いや、この前のは俺か…
ハルは、アキの鼻をつまんでみたり、
頬や耳を引っ張ってみたり、
上に乗っかってみたり、
最終手段、身体の中心部に触ってみたり、
そう…前に自分が言ったあらゆる手段を試してみた。
しかしアキは、眉根を寄せたり、色っぽい声を発しながら、寝返りを打ったりするだけで、寝息を立てている。
…マジか……
でもまぁ、疲れてるよな…
ハルは、食事中のことを思い出す。
「もう毎日、ロケ弁ばっかでさ、こういう温かい物に飢えてたんだよ〜
外に食べに行けば美味しい物も沢山あるんだろうけど、そんな時間もなくてさ…
いや、でもヤッパ、俺にはハルの手料理が最高!
あ〜美味い!最高!」
心の底から嬉しそうに、リスみたいにほっぺたを膨らませ、自分の作った料理を食べるアキに、ハルの心も温かくなった。
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