51人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
6.Flower language
バレンタインの日、アキに贈られた箱を開けたら、まるで花畑が広がっているような、花をモチーフにした綺麗なチョコが並んでいた。
アキは、このチョコをどんな顔して選んだんだろう…
そう思うだけで心が踊った。
…デパートとかで並んで苦労して買った訳じゃない?
そんな事、どうだっていいんだよ。
プレゼントって、選んでる時間も込みだって言うじゃん?
その人のことを思い、
「何が似合うだろうか?」
「喜んでくれるだろうか?」
そう考えてくれた時間込みで、
受け取る方は嬉しいんだよね。
だから、
「ハルに似合うチョコだと思って」
…という言葉が、とても嬉しかったんだ。
まぁね…
その後は例の如くグダグダで…。
何でいつも、俺たちはこんなに疲れ切ってるんだろうね?
って笑っちゃったんだけど…。
でも仕事も順調で、愛する人に愛されて…。
それが一番の幸せだよね…なんて。
そして…あれから一ヶ月…
ホワイトデーが近い。
「いつもハルに料理作って貰って申し訳ないけど、俺にはできないからさ…知り合いのレストランでテイクアウトの予約してるから、それでいい?
スイーツは…、何かハルの好きそうな物買って来る。
あ、…けど、今度は悪戯せずに普通に食えよ。OK?」
そう釘を刺され、でも久々のアキのお宅訪問が嬉しくて、首がもげそうなくらい頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!