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アキがドアを開けると、花束を抱えたハルの姿。
アキはその姿に胸の高鳴りを感じながら、心の中で呟く。
……何だよ、こんなの反則…。
花束なんか抱えて、そんな眩しい笑顔で。
ラッピングされた花束を覗き込めば、チューリップって…いかにも春らしい花。
…本当にお前は、“ 春 ” のような奴だな。
温かくて、明るくて、眩しくて、穏やかで…。
一緒にいると、心底ホッとする。
「はい、これ。アキに…」
「え?…俺に?…あ、ありがとう」
戸惑いながら、差し出された花束を受け取り、鼻を寄せると春の香り…。
どう照れ隠ししたら良いのかわからなくなって、無意識に本数を数える。
1、2、3、………8、9本。
ん?10本じゃなくて?
もう一度数えてみたけど、やっぱり9本。
ん……?
アキが可愛く首を傾げるのを、ハルは微笑ましく見ている、
「何?9本て!キリ悪っ!」
また、照れツン発動してる…
アキ、後で教えてあげるね。
ピンクのチューリップの花言葉は、
『誠実な愛』
そして “ 9本 ” の花言葉の意味は……
『いつまでも一緒にいよう』
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