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「当日の夜、あいつ時間取れるかなぁ?空いてたら他の奴らも誘って、焼肉でも奢ってやるか?
アキの都合は?」
航輝がそう言い出し、更に慌てた。
無理もない。
いつも誰かの誕生日は、事務所仲間や共演者、友人などで、飲んだり食べたり…。
“ 誕生日祝いという名の宴会 ”
になっていたのだから。
こんな世界に身を置いていると、なかなか男女交際は難しい。
普通のカップルのように、デートして誕生日のお祝いして…などとオープンにはできない訳で…。
結局はそんな寂しさを紛らわすように、集まって騒ぐのが恒例みたいになっていた。
「あ!!そう!俺もそう思って、ハルに聞いてみたんだよ。
そしたら当日は無理なんだって!
俺も仕事入っちゃったし」
「そっかぁ。じゃ、翌日でも前日でも…」
…えっと…当日は一緒に過ごす予定だから、泊まる事になるかもだよな…
「あ〜!何か翌日も仕事が…って言ってた気が…。
き、聞いとく!ちょっと別件で連絡あるからそのついでに」
「そっか。じゃ、よろ〜!」
…ああ…予防線は張れたものの何だか無駄に焦った!
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