51人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
5月17日。ハルの誕生日当日。
アキはホワイトデー同様、バースデーディナーは知人のレストランのテイクアウトに頼り、ハルの好きそうなケーキも買って来て…。
ハルはすごく美味しそうに、清々しいくらいに全部食べ尽くしてくれた。
自分で料理した訳じゃないけど、それはとても嬉しくて。
片付けが終わった頃を見計らって、アキは小さなラッピング袋を差し出した。
「ハル、これ。プレゼント」
「えっ、嬉しい!ありがと!」
……ん?何か店のラッピングにしては、不格好だぞ…
一度包みを解いて やり直した感…。
ハルは受け取りながらそう思ったが、開けてみると、中には何やら立派そうな小箱が…。
ちょっとした違和感に、箱をほんの少しだけ開けてチラ見する。
「えっ?何かレザーのベルトループみたいなの見えた!
猫の首輪?俺は大型犬用のじゃないと、こんな小さいのは無理よ?」
「はぁっ?!お前、大型犬用の首輪なら、嵌めるのかよ!」
「アキに飼われるなら大歓迎だぞ」
「んな訳あるかっ!ちゃんと開けて見ろよ!」
ハルが箱を全開してみると、レザーベルトの先にシルバーメタルのようなリングがついたキーホルダーが入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!