7.Happy birthday

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唇を離し、俺の顔を見て笑みを浮かべるアキは、女の子みたいで可愛いとも思う。 可愛いと思うのに、自分より小さな身体のアキに背中を抱かれると、とても大きな何かに包まれているように思う。 こんな不思議な感覚、初めてだ。 見慣れたよく知ってる顔の筈なのに、それも今は違う。 閉じた瞼の睫毛が長いのも、 ツンとすましたような鼻も、 口角が上がり上唇の山がくっきりした形の良い唇も、 頬と首筋のホクロも…… みんな知ってる…なのに……。 全部好きだと、ずっと見て来たのに……。 頭の中がうまく処理できなくて、全て指で辿り確認してみる。 けれど 分かったのは、前にも増して「愛しい…」と思う自分の気持ちだけだった。 「あ…ぁ……ハル……」 譫言(うわごと)のように名前を呼ばれる度、その声が俺の耳から潜り込み、脳を侵していく。 アキ…どこまで俺を、お前の中に溶かすつもりなんだ。
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