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***  真希子とのお茶会を終えて家に帰ってからも、私は彼女たちが綺麗に別れられる良い方法はないかと思考を巡らせていた。  彼女はいつも私の恋を応援してくれた。過去の彼氏と別れたときも前を向かせてくれたし、新しい彼氏ができれば私以上に喜んでくれた。  その親友が悩んでいるなら、私だってどうにか力になりたい。  しかし、そんなに都合よくカップルを友達に戻す方法なんて思いつかなかった。 「……仕方ないか」  私はスマートフォンを取り出して、久しく連絡を取っていなかった名前を表示させる。  抵抗はあったが、この方法しか思いつかなかった。 「もしもし、明?」 『え、朱音? どうしたの急に。久しぶり』 「うん、久しぶり」  電話口の明は驚いた声を出していた。そりゃそうだ。三年前に分かれて以来の連絡なのだから。  けど、これも親友のためだ。  まずは真希子の彼氏が現状をどう考えているか探る必要がある。和人の親友である明なら何か聞いているかもしれない。 「ちょっと相談があって」 『なんだろう。もしかして俺の宝くじが当たった件? いやでも一万円しか当たってないから何の力にもなれないよ』 「お金目当てじゃないわ」  電話の向こうから笑い声が聞こえる。久しぶりに聞いた彼の声も、隙あらば冗談を挟んでくるところも昔と変わっていなかった。  懐かしさを感じはするけれど、特に未練はないので話を進める。 「私たちを出会わせてくれた真希子って憶えてる?」 『あー、憶えてるよ。和人の彼女でしょ』 「そうそう。実はその子が別れたがってるんだよね。しかもそれがまた難しい別れ方で」 『あれ?』  私が話をしている途中で、明は素っ頓狂な声を出した。  そして思っていたのとは違う反応が返ってくる。 『それ、なんか聞いたことあるぞ』 「ん?」
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