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「いやあ楽しかった! やっぱり遊園地は最高だぜ!」 「だよねだよね! もはや遊園地は生者も訪れることのできる天国と言っても過言じゃないよねー!」 「……あれ、朱音?」  カラフルなライティングが施されたゲートの前で、遊園地を楽しんでいる二人を自然に演じる私たちに真希子が気付いた。作戦通りだ。 「あれー真希子たちも遊園地来てたんだー!」 「え、朱音も来てたんだね。しかも明くんも」 「おう、偶然だな!」  隣に立つ明は遊園地の楽しさが体中にみなぎっているかのような満面の笑みを浮かべる。なかなか演技派ね。私も負けないようにしなきゃ。 「真希子たちはデート?」 「うん、久しぶりに行きたいねって」 「わかるわかる! 遊園地って無性に行きたくなるときあるよねー!」  普段の自分とは程遠いハイテンションな役を演じていると、自分でも何を言っているのかよくわからなくなってくる。しかしそれには目を瞑り、私はこの勢いのまま「あ。じゃあせっかくだし、これからみんなで一緒にご飯でもどう?」と続けようとした。  けれど私の言葉は、真希子の台詞に遮られる。 「ああでもちょうどよかった。朱音に伝えたいことがあってさ」  強い風が吹いた。私と明は園内でしか被れないであろう派手な帽子を飛ばされないように右手で押さえる。  それを真似るかのように、真希子は自分の右腕を和人の左腕に回した。 「わたしたち、結婚することになったの」 「はい?」
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