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晴天の霹靂とはこのことだ
「あした世界が終わるんだよ。あと、好きです」
突然、謎の予言とオマケみたいな告白をされた俺の気持ちに、誰か共感してくれるだろうか。
「お、おう、なるほど」
放課後。校舎裏。女子からの呼び出し。期待しかないシチュエーションでこんなの食らったら、そりゃこういう返しになるだろよ。
俺の前に佇んでいるのは、クラスメイトの凪野。いわゆる不思議タイプでもなく、どちらかといえば快活でカースト上位。男女問わず気さくに仲よくできる人物だ。一方の俺は真逆で、控えめというか、人と接することがそんなに得意じゃない。カーストは確実に下位。ということは……。
嫌な予感がよぎる。今回たまたま同じクラスになっただけで、会話らしい会話だってしたことのない俺に告白してくるなんて、不自然きわまりない。しかも、変な予言つき。罰ゲームの可能性を疑うのは至極当然。だが、あたりを見回しても、人が隠れていそうな気配はない。ってことは、もしかして。
「確認だけど、これって凪野が俺に告白してるってことでいいんだよな?」
「そうだよ。ほかに受けとりようなくない?」
「ああ、まあ、だよな、うん」
だとしたら、なおさら。なんで俺なんだ。頭がいいわけでも、運動ができるわけでも、ましてやイケメンでもない。凡庸そのものだぞ。
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