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そんな俺が気付いたら、カウンター席に座っている女性に声をかけていた。
「隣いいですか。」
俺の声に驚いて、大きな目でこちらを見る女性と目が合う。
その女性は既にかなり呑んでいるのか、頬が上気している。
その姿が色っぽくて、俺の心臓がとくとくと音を立てる。
その女性は俺の問いかけには何も答えず、俺のことをじっと見ている。
拒否される言葉を聞きたくなくて、またしても勝手に口が動いていた。
「拒否されないってことは肯定してくれていると判断して、隣に座らせてもらいます。」
隣に座ったものの、沈黙が気まずい。
良いタイミングでマスターが声をかけてくれたので、女性と同じものを注文する。
またしても沈黙のきまずい時間が始まる。
何で声をかけてしまって、今この席に座っているんだろうと後悔に襲われる。
隣に座っている女性が動く気配を感じたので、隣に目を向けるとグラスに残ったワインを一気飲みしている。
既にかなり出来上がっているのに、更にそんなスピードで飲んで大丈夫なのか心配になる。
このペースで飲み続けて酔いつぶれて俺のせいにされてもな、そう思ってマスターに声を掛ける。
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