信じれらない朝

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俺の頭がおかしくなったのかとも思ったが、俺の躰にはしっかりと彼女と過ごした感覚が残っている。 何故姿を眩ませたのか。 俺が彼女を満足させられなかったからか。 それとも既婚者だったのか。 いや、左手の薬指には指輪はなかったはずだ。 それならどうして。 考えても答えが出ないことは分かっているが、もう一生会えないかと思うと信じられないぐらいの脱力感が俺を襲う。 しばらくぼーっとソファーに座っていたものの、時計が目に入りその時間に驚く。 思いの他、時間が経っており急いで着替えないとクローゼットに向かい服を着る。 着替終わると床に散らばった服を集めてランドリーバッグに入れる。 ちょっとでも昨日の女性の痕跡が無いかを探すものの何も出て来ない。 唯一ある情報は相原という名前だっていうことぐらいだった。 名前を知ってても、相原なんて苗字が付く人なんて五万といる。 諦めなきゃいけないと自分に言い聞かすも、あの女性の持つ風貌と雰囲気が忘れられない。 もたもたしているうちにどんどん時間が過ぎていく。
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