1人が本棚に入れています
本棚に追加
目をほんの少し開けると、カーテンの隙間から射しこんだ光が視界に染みわたってくる。
薄ぼんやりとした意識の中で苦悶した。辛いことがあっても、陽はまた昇るって?
そりゃそうだ。お天道様に女子高生一人の気分なんて微塵も関係ない。どれだけ逃げ回っても、できる限り長い夜を過ごそうとしても、苦しみの一日に容赦なく追いつかれるんだ。
だったら――どうせ追いつかれるくらいなら、私は逃げない。正々堂々、迎え撃ってやる。
逃げない、逃げない、逃げるもんか。
「かかって来い……」
背を丸め、拳をぎゅっと握りしめて身構えた――そのときだった。
最初のコメントを投稿しよう!