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2年前。
僕は高校3年生だった。
高校時代、学校からの帰り道よく入り浸った図書館の窓から、僕は彼を見ていた。彼はいつも友人たちの中心で、皆を率いるように歩いていた。
何となく、目が惹かれた。
徐々に本を読むのが疎かになった。
教科書を開いても内容が頭に入ってこなくなった。
これではいけない、と思ってはいた。
僕はその時、今の彼と同じ受験生だったのだから。
あの日は、空に青い月が出ていた。
日暮れが遅くなってきた季節。いつもの時間、いつもの席で、受験勉強に勤しむふりをして僕は彼が通るのを待っていた。
やがて彼が、彼らが図書館の前を通りかかった。
教科書を立てて読むふりをしながら、チラチラと彼を見ていた。
その時、
突然彼が振り返って。
一瞬、目が合ってしまった。
僕は慌てて目を逸らした。
彼がその後どうしたのかは知らない。
僕はあの日からあの図書館には行っていない。
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