1. 久しぶりの再会

10/15
前へ
/172ページ
次へ
そしてまたみんなが私に注目をする。 ──ドクン。 みんな私を見ている。 やれってこと? こんなところで? じっと私を見つめてまるで期待されているようで。 やらなかったらノリが悪いって思われるかな? 有紗が楽しく話しているところに水を差す人だって思われるかな。 どうしよう、でもやりたくない。 『里子ってノリ悪いよね』 しかし、有紗が昔に言ったその言葉を思い出してしまった。 嫌だ。 ノリが悪いと白い目で見られて、またひとりになるのは嫌だ。 そんな不安な気持ちに包まれて耐えられなくなった時、私はぎゅうと目をつぶって言った。 「ど、どすこい~!」 恥ずかしさを押し込んで促されるままま、張り手のポーズをつけてそんな言葉を言い放つ。 その瞬間、ドカっと大きな笑いに包まれた。 「キャハハハハ、里子ってやっぱり面白い~」 「安藤さん、いいキャラしてるね~」 「そっちの方が明るくていいよ」
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加