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有紗はこの会社に入ってきたばかり。
前の私はこんなイジられ方していないし、それに一般的に見たらこのイジリは笑えるものではないだろう。
部長がビシっと言ってくれるのかもしれない。
そんな淡い期待を寄せていた時。
「安藤クンは関取を目指してるんだから、お菓子を取り上げるなんてしたらかわいそうだろう」
私は部長の言葉に凍り付いた。
しかし、周りの社員は部長の言葉にドっと笑う。
普段はあまりこういう会話に入ってこない部長が入ってきたことでみなの空気が柔らかくなった。
「キャハハハッ、部長いいノリしてますねぇ」
「部長、最高っす」
みな口々にそう言って部長を盛り上げる。
部長も褒められて気をよくしたのか、嬉しそうに笑っていた。
私の気持ちはまるで無視をして、置いて行かれたようにポツリと立ち尽くす。
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