2.過去

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高校生の頃――。 当時有紗と仲良くなったのは席が近く、趣味が合ったからだった。 『え、この雑誌毎月買ってるの?私もだよ』 『うそ!?コアな雑誌だから好きな人なかなかいなくて』 『そうそう、分かる』 仲良くなったばかりの頃は、なかなかいない同じ趣味の人を見つけて盛り上がった。 有紗は当時からとても話しやすく明るい子で、内気で友達ができにくい私とは違って誰とでも仲良くなることが出来た。 『ねぇねぇ、里子ちゃんも私たちと一緒に遊ぼうよ』 『いいの?』 『もちろんだよ!』 有紗が中学の頃から仲の良かった亜美と加奈子の2人を紹介してもらって、そのまま仲良くなり、私と有紗はよく4人グループで行動していた。 中学時代からあまり目立つことが好きじゃなかった私は。 『マスカラ切れた〜!授業抜けて買い行く?』 『いいね、里子も行こう』 『えっ!』 いわゆる派手なグループに属している有紗たちとは時々合わないと感じることもありながらも、一緒に過ごしている時間はとても楽しかった。
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