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「あれ、知り合い?」
私が答えるよりも先に有紗が答える。
「そうなんですぅ~。私たち、高校が同じですごく仲が良かったんです~」
有紗の甲高い声、今でも変わってない。
この通る声が私はとても苦手だった。
そう、私たちは高校のクラスが同じで仲が良かった。
でも彼女と過ごした日々には、思い出したくもない思い出がたくさん詰まっている。
すると有紗が私を見た後、ニヤリと笑って言った。
「この子、会社ではどうですか?まだみんなの前で一発ギャグとかやってる?」
「ちょっ……」
「一発ギャグ?」
私が止めても、社内のみんなが一発ギャグという言葉に食いついてくる。
「この子、高校の時からみんなを笑わせるために、教卓で一発ギャグとかやるんですよぉ。大人になってもやってるんじゃないかって思ってぇ」
「ち、違います……」
「へぇ、そんな一面もあるんだ」
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