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私は主張出来ないって、我慢していたことなんてない。
引き出して欲しくもない、心を無理やり引き出されるっていいことなんだろうか。
私は乾いた笑いを浮かべることしかできなかった。
翌日──。
「はぁ」
昨日は有紗のことを考えていたら、あまり眠れなかった。
今日から本格的に一緒に仕事をする機会も増えてくるだろうけど、有紗とは出来るだけ距離を置くようにしよう。
もう高校生同士の関係じゃないんだ。
同じ仕事場で働いている同士なんだから、近い距離にいる必要だってないはずだ。
オフィスで仕事をしていると、さっそく有紗が話しかけてきた。
「ねぇ里子。これってどうやるの?」
「これはこう、ここをこうして……」
私が教えていると、有紗はしっかりとメモを取る。
あれ、なんだ。
さっそくからかってくるかと思ったけど、全然普通だ。
私が身構えすぎていただけ?
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