アクションタイム 〜序章〜

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あるところに身体が生まれつき弱い女の子がおりました。 実は幼いうちに簡単な外科手術を受けておけば、元気に外を走り回れる身体になるはずだったのです。 しかし、再三学校から受診を促されても、時間がないという理由で病院へ連れて行って貰えませんでした。 女の子は莉緒といいます。もうすぐ18歳になります。 莉緒の家はお父さんとお母さんがいます。 お父さんは昔から大酒飲みで、働いて得たお金をほとんどお酒に変えてしまいます。 お母さんは生活を支える為、日中働きに、夜は内職をしています。 莉緒は近所の高校には通わせて貰えましたが、身体が弱いという理由でアルバイトすらさせてもらえませんでした。 莉緒はお母さんに変わって買い物や食事の支度、家の掃除などを行います。 あまり体力が無い莉緒は、夜、学校の宿題をするにも途中で眠ってしまいます。その為、成績もあまり良いとは言えません。 莉緒は「高校卒業後の進路の希望」というものがありません。 何故ならば、幼い頃から「莉緒はずっとこの家の主婦をする」と両親から言い続けられていたからです。それが、莉緒にとって当たり前になっています。
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