アクションタイム 〜序章〜

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「あんた宛になんか届いたわよ。なんなの?」 身に覚えのない小包が届きました。 両手に乗るほどの大きさの箱で、国語辞書程度の重さです。 自分宛てなんて、郵便ですら塾や通信学習講座のDMくらいしか届かないので、例え中身がイナゴの佃煮でも喜んだかもしれません。 差し出し人は「ドラマスペース研究所」と、怪しげでした。 「何だろう…」ドキドキしながら自室で一人で開封しました。 中にはゴーグル、ヘッドホン、あと1枚の紙が入っていました。 『莉緒様。突然ですが、ご当選おめでとうございます。弊社ではVRを使用し、疑似体験をよりリアルに楽しんでいただく商品を開発しております。まずはベッドに寝転ぶ、もしくは床など安定した場所にお座りください。そして同梱のゴーグルとヘッドホンを装着してください。商品の説明を5分ほど行います。※装着中は外部の音、刺激等を認識できません。自室など安全な場所で装着をお願いします』 莉緒は床に座り、ゴーグルとヘッドホンを装着しました。 「莉緒様、目を開けていただけますか」 突然、正面から男性の声がしました。
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