アクションタイム 〜序章〜

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①自分の役を理解しておく事。  ファンタジーであればストーリー上、蛙が人間になる事もあり得るが、脈絡も無しに蛙が空を飛ぶなど、設定以上のことはまず出来ない。  ただし、何か行動を起こした結果、ストーリーがより良いものになれば、評価が高くなる。 ②ストーリー上で死亡すると、視聴者になる。  ただし、評価、応援は出来ない。話の流れでは、復活する事もあり得るので、最後まで視聴する事をオススメする。 ③外部からゴーグルを外された場合、ストーリーから強制退出となる。  身体に異常をきたすことは無いが、深い眠りから無理矢理起こされた時のように、疲労感が激しく残るので注意が必要。  また、強制退出はストーリー上に影響があると評価が下がるので、得られる報酬が減ることがある。 ④1つのストーリーが終わった時点で報酬を支払う。  大体2週間で1ストーリー。大編は、章ごとに報酬の支払いがある。 ⑤評価が一定以上の出演者は、引き続き別の新しいストーリーに出演可能。  出演開始したい日の夜8時までに「アクションタイム」を装着すると、その日から出演出来るストーリーの案内を行う。 ⑥健全で安全なサービスを提供するため、出演者、視聴者共に不適切な表現や評価を禁止する。  ストーリー上の成り行き、相手の合意に関わらず、必要以上の接触や露出は禁止する。個人情報の開示、特定、要求も禁止行為にあたる。  ストーリー内では運営側の人間が虫や小動物などの姿で見回りを常時行っている。悪質な行為と判断した場合、強制退出となり「アクションタイム」を没収する。 「と、まぁ規約を要約するとこんな感じで。初回は私がそばについて指導いたしますので、ご安心を。では『王宮』をテーマにしたストーリーへのご出演、よろしくお願いします。今晩9時、お待ちいたします」 館林さんの話が終わると、だんだん目の前が暗くなっていきました。 喫茶店のガヤガヤした音も同時に消えていき、静かになりました。 ゴーグルを外すと、そこは間違いなく自室でした。
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