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このまま絶頂に導き理性を剥ぎ取ってやれば、本音が聞けるのではないか。
愛していたのは本当だと。
スパイの容疑など間違いだと口走ってくれるのではないか。
助けて欲しいと頼ってくれたら、自身の立場を賭けても疑いを晴らしてやる。
本音を言ってくれ。
「いい加減にした方がいい」
熱い息を吐きつつも再び真顔になり、ダニエルがこちらを真っ直ぐに見た。
「軍の応援が来たら誤魔化せない」
理性的な顔に戻ってしまったダニエルに苛つきを覚えた。
再び中央の物をきつく扱く。
短い悲鳴を上げ、ダニエルはアレクシスの外套を掴んだ。
「違うだろう、ダニエル」
自分が苦笑とも泣き笑いともつかない表情になっているのが分かる。
無表情のダニエルの耳元にアレクシスは唇を寄せた。
「いつもはここで腰を振って、いやらしくねだっていただろう?」
男根の括れの部分を指の腹で擦り、先端を強く握る。
「私の手に夢中でこれを押し付けて、もっと、もっとって」
ダニエルが形の良い眉を寄せ荒い息を吐く。
「ここで脚を開いてしがみついて」
アレクシスは耳元で声音を落とした。
「挿れて、って」
ダニエルの手がやんわりと外套の肩を掴んだ。なおも理性的なダニエルの態度が、感情を煽る。
強引に脚を広げさせると、アレクシスはまだ何の準備もしていない受け入れ口に自身の物を当てた。
そのまま、グッと押し込む。
ダニエルが身を縮め外套を強く握った。息を切れ切れに吐きながら、狭い口を緊くし押し戻そうとする。
アレクシスは床に手を付き、無理矢理に押し込んだ。
裏返った悲鳴を上げ、ダニエルが細い素足を強張らせる。冷たい床に革靴の底を滑らせ、内股を小刻みに震わせた。
甘い拷問のような。そんな言葉を連想する。
歯を食い縛り、全身で打ち付け奥を押し開く。
ダニエルは顎をがくがくと反らし、顔を歪ませた。
吹き込んだ雪が、白い肌に舞い落ちる。
ああ、寒いか。不意にそう思う。
暖めてやりたくなった。
半裸に剥かれたダニエルの上に覆い被さるようにして、アレクシスは更に奥へと押し入った。
傷口が開いたのか、オフホワイトの外套に血がこびりつく。
機械のようにただ揺すられ続けているダニエルの頬に、頬を擦り寄せる。
一体、何だったのか。
この人形のように犯されている白薔薇のような青年は、本当に恋心の一つもなく自身と関係していたのか。
そんなものに騙されるほど子供ではないつもりだ。
ダニエルが切ない呻きを漏らした。がくがくと脚を揺らす。
下腹部に押し付けられていた彼の硬い物が、一際硬くなり絶頂したと分かった。
目を眇め、彼の中に吐き出す。
結合した部分が、どろりと生暖かくなるのを感じた。
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