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その後は時間も遅くなっていたので、1階に降りて母が作った夕飯を食べた。久しぶりの実家のご飯は懐かしい感じがした。「美味しい。」と言うと、「年季が違うからね。」と母は誇らしげだった。明日もまだ休みなので、今日の作業は切り上げて、お風呂に入ってダラダラとテレビを見て過ごした。久し振りにゆっくりしているなぁと感じた。
22時を過ぎた頃に、「年寄りは夜が早いから。」と言って母が寝るようだったので、私も部屋に籠もることにした。「おやすみなさい。」と「はい、おやすみなさい。」というやりとりをした後に、母が、
「そうだ。あなたのその強がりな所は私に似たのね。」
と急に言い出した。
「急にどうしたの?」
「うーん。ただなんとなく思ったから言っておこうと思ってね。」
「似てるかな?」
「似てるわよ。」
「そうかな?」
「そうよ。」
私は今、強がっているのかな。少なくとも母にはそう見えているのかもしれない。
「まぁ、そうかもね。」
私は納得しているような、やっぱり納得していないような反応を返して、もう一度おやすみと言って部屋に引っ込んだ。それから書斎から持ってきた小説の続きを読むことにした。1冊ならなんとか今日中に読める。
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