0章 プロローグ

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「でも、驚いたわ。貴方、近所の共学高校行くーって言ってたのに……山奥の男子校に行くだなんて」 「はは、まあね。高校デビューってやつ?」 ちがう。 「そうなのね!てっきり男の人が好きになったのかと思ったわ!」 「それはないよ。結婚したいし」 ちがう、ちがう。 「なら安心ね」 「母さん、余計な心配は要らないよ。俺なら大丈夫だから」 早くここから出たい。 「……そうね!コンビニばっかでご飯食べないのよ?」 「ん」 「洗濯物もケチらずに毎日しなさいよ」 「えぇー3日に1回でy」 「良くないわ。毎日なさい」 俺のコストカットしようと思ってたとこなんだけどぉ…… まぁ、いいや。反論するのも馬鹿らしい。 「はいはーい」 「困ったことあったら電話してもいいからね。遠慮しちゃだめよ」 「ん。もう行くね」 「うん。頑張ってね。私は貴方の味方よ」 嘘つきめ。俺が弟にされたこと言ったら真っ青になって俺の味方にはなってくれなかったのに。全否定してたじゃねぇか。何もしてくれなかったし…… ドン引きだったの覚えてっからな。 「…………ありがと」 今日、俺はこの家を出ます。
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