2303人が本棚に入れています
本棚に追加
/448ページ
っていうか、見たくないものは見えなくなるのなら。
そのうち、私も見えなくなってしまったりしないだろうかと思い、つい、将臣に手を振ってみた。
空いているデスクの前に立つ将臣は、
「なんなんだ」
と言いながらも、振り返してくる。
ノートパソコンの向こうから武者小路が将臣に言う。
「どうでもいいが、半地下で人目がないからって。
ここ来てくつろぐな、社長」
「なんだよ。
ちょっと立ち寄っただけだろ。
武者小路、また、今度、あの定食食べに行こう」
将臣が此処に遊びに来ることに関して、ごちゃごちゃ言っていた武者小路だが。
一緒にご飯を食べに行くことには乗り気なようで、あっさり、
「おう」
と言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!