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 シャワーから上がった時、アルバはシャツに袖を通したところだった。アルバの紅髪は、陽光が透けて、一層紅く見えた。  アルバは麗良を振り返って「おはよ」と言うと、ベッドに腰を下ろし、スマホに目を落とした。 「おはよう」  麗良は、間を置いてから言った。 「あのさ、契約の話なんだけど」 「うん」 「確認だけど、戻りたいって言ったら、戻れるんだよね?」  アルバは一瞬麗良を見てから、目を逸らし「ああ」と答えた。 「あなたも、一緒だよね?」  アルバは、わずかに沈黙する。 「……ああ」 「違うの?面倒みるって言わなかった」 「みるよ」と答えた口調は、そっけない。 「なら、契約する」  アルバは麗良を一瞥して、それから妙に冷淡に「分かった」と言った。そして、おもむろに立ち上がる。 「ここで待ってて。着替えといてね」  そう指図して、アルバはスマホを耳に当てたまま、開かなかったはずのドアから出て行った。
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