16.ジタバタして、なにもしないで

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16.ジタバタして、なにもしないで

 実はこのところ、ライターズブロックかもしれないと思い悩んでいる。  それほど大量に小説をはじめとした文章を書いているわけでもないのに、ライターズブロックもへったくれもないだろと気もしないでもないのですが。  とにかくパソコンの前に座っていても文章が出てこない。文章どころか小説のアイデアもぜんぜん出てこないので、さて困ったなと。  ライターズブロックはスポーツ選手におけるイップスみたいなもので、とにかくいつもどおりにやろうとしても、ぜんぜんダメなものしか出てこない。こりゃあもうしばらく文章を書くのはダメかもしれないなと、最近は諦め気味です。  それはオミクロン株の蔓延によって、公私ともに落ち着かない日々が続いているからという理由も挙げられそうだ。自分のすぐ近くにまでオミクロン株がやってきて、いろんな計画や予定がおかしくなっている。小説書いてる場合じゃないな、みたいな意識がライターズブロックをもたらしたのかもしれない。  そんなことばかり考えているうちに、小説を書くどころじゃなくなってゆくわけですね。  ところで、映画『魔女の宅急便』に森で暮らす絵描きのウルスラが出てきた。魔法の力が消えた主人公のキキに、ウルスラは絵が描けなくなって困ったときの話をしてましたね。  そのとき、ウルスラはとにかく絵を描いて描いて描きまくると言ってた。それでも描けないときには描くのをやめて、散歩したり昼寝したり何もしないとアドバイスしてました。そうすれば、いつの間にか描きたくなると。  とにかくジタバタした上で、それでもダメなときには「充電」が必要ってことですね。  考えてみれば、小説を書き続けると自分の中に詰められていたものが消費された感覚があります。ジタバタして、なにもしないで、「充電」されるのを待つしかなさそうです。
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