推しがいちゃダメなんですか？

「はー、、今日も今日ともで疲れた」

平凡な俺は、そんなことを呟く、、もちろん、Twitterなのではなく、独り言で。

そんな平凡な俺、加藤翔（かとうしょう）には、推しがいる。

『はっー！！みんなぁ！今日も疲れたねぇ、今日も今日とていやしをおとどけするよぉ！！』

作りきった声、可愛げのある声、あざとい声。
こんなもの、好きになるはずがないと、思っていた。実際加藤翔は、最初は"気持ち悪い"と思った。だが、次第に気持ちは変化していくものである。

「可愛い、、」

仕事場に行くと、罵倒される。
仕事が遅いと、言われる。
何にもできないと、後輩に言われる。
影で、笑われる。

唯一の憩いの場、それが、加藤翔にとっての、この配信者である。

『いやね〜？』

何度も言うようで悪いが、加藤翔は別にこの人がタイプな訳でもない。ましてや、仕事場では、

［先輩ってぇ、ノリ悪いし〜？推しとか、いなさそーですよねぇw］

小馬鹿、、いや、大バカにされながら、そう言われているくらいである。こんな配信者を押しているなどと言ったら、どうなる事だろうか。