森 希々花はいつも二番手***

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限りなく漆黒に近い瞳に灯る情欲の火。 真上からあたしを射抜く瞳に釘付けになった。 「俺は、おまえが賭けに勝つまでの“つなぎ”。ちゃんと分かってる―――だけどな、森」 「っ……、」 入ってくる質量に思わず詰めた息は、浅いところで抜き差しをくり返されているうちにゆるみ、吐息に変わり始める。そうして吐息が喘ぎに変わろうとした時―――。 「だからと言って、踏み台にされるのはごめんだ」 「ふみ……っ、あぁ……っ、」 踏み台のつもりなんてない―――そう言いかけたあたしの声は、一気に最奥まで埋め込まれたせいで嬌声に変わった。 責め立てるように激しく揺さぶられ、快感に思考が奪われる。今日こそは言おうと思っていたことがあったはずなのに―――。 彼はこの一年で、あたしの()いところをすっかり把握済み。無慈悲なほど容赦なく、あたしをそこ(・・)に向かって追い詰めていく。 「……まあいい。お互いに分かったうえでの“今”だからな」 あたしに、というより自分に言い聞かせるみたいに呟いた彼は、いっそう激しくあたしを揺さぶりだした。 あたしだけじゃなく、彼もそこ(・・)に向かって昇り出す。 決して実を結ぶことのない目的地に向かって走るあたしたちは、それ以降は無駄口をきくことなく、悦楽だけを追いかけて行った。
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