201人が本棚に入れています
本棚に追加
If...もしも 贖罪 ③
10時15分前には、待ち合わせの喫茶店に林さんは居た。
「あれ?林さん早いね~。お待たせしました。」
「ああ、休みなのに呼び出してすまん。どうしても…」林さんが浮かない顔をしている。
林さんの正面に座ろうとしたら
「滝沢さんは、こっちに」と林さんの横の奥の席に追いやられた。
…意味が解らない。
暫くすると美形の男性2人が入って来た。
1人は、四十手前、もう1人は…俺と同じ位か?
「伊織さん!こっちです!こっちです!!」林さんは、その2人に声をかけた。
俺は、何が何だか解らない。
ヤバイって写真じゃないのか?
カメラ壊した訳じゃないのか?
社内不倫とかじゃないのか?
全く訳が解らず林さんの顔を見る。
「まずは、皆コーヒーでいいですか?」林さんが注文をする。
林さんからその美形2人を紹介された。
四十手前の人を伊織さん、俺と同じ位の人を斗織(とおり)さんと紹介された。
テーブルにコーヒーが運ばれて一口、口を付け宗吾から口を開く。
「で、話って何だ?俺は、全く訳が解らないのだが…」率直に聞いてみた。
「滝沢さんに確認して欲しい話だ。昨日電話をした時、実は、お二人から話を聞いた直後だったんだ」林さんが口を開いた。
「二人の話?何の話をしていたんだ?」宗吾は、本当に全く話が解らない。
年からすると俺の先輩・後輩位だから学生時代の話?
いや…そもそもこの二人知り合いでもないし…
「滝沢さん…葉山瑞樹君、滝沢さんの所の子だよね?」
林さんが何故、今、その名前を出すか解らない
「え?」
「葉山君は、函館育ちだったよね?確かストーカーの被害にもあっていたよね?」
「え。いや。林さん。ここでその話は…」
「関係あるんだよ」俺以外の三人、皆真顔で俺を見る。
「何故、関係があるんですか?」
2022年1月12日
最初のコメントを投稿しよう!