If...もしも 贖罪 ⑤

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If...もしも 贖罪 ⑤

 午前中に喫茶店へ行ったのに、帰りは夕方になってしまった。 玄関ドアを開けると芽生と瑞樹の楽しげな笑いと共に 「おかえりなさい」と笑顔の二人が出迎えてくれた。 瑞樹の笑顔を見ると正直、涙が出そうになるがグッとこらえ 「ただいま。遅くなってごめんな」と少し小声で言いながら 瑞樹の頭を俺の胸元へ寄せた。 「ちょ、宗吾さん!芽生君居ますから…」照れる顔も可愛らしい この笑顔を崩すヤツは、誰であろうとも許さない。 強い怒りのような感覚が生まれてくる。 「宗吾さん?何かありました?」 瑞樹は、意外に敏感だ。少しの表情も見逃さない。 知られちゃいけない…何もない…大丈夫・大丈夫。 「なあ、瑞樹。明日、洋君の所へ行かないか?翠さんが写経の手解きをしてくれると。瑞樹もどうだろうかとお誘い頂いたぞ?」 「写経ですか?!『心を無にして』、ですね。花を活ける時にも使えそうですね。やってみたいです」 ぱぁ~っと花が咲いたような笑顔。俺は、この笑顔絶対に守る 2022年1月13日
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