3人が本棚に入れています
本棚に追加
女性とホルモン
女の本体はホルモンである。
つまり、子宮というコックピットに乗ったホルモンが、私と言う肉体を操縦しているのだ。
例えば急に悲しくなったり急に笑ったりするのも、全部ホルモンのやつが、体の中で宴会をしたり、はたまた他の物質に無謀な告白なんかして失恋したりして泣いてたりするに違いない。
そう思いたくなるくらい、女性というのは、時に、身体に支配され、翻弄され、憎まずにはいられない時もあるのだ。
人間が巨大なロボットを動かすように、ホルモンも私と言う女を動かしている。
ただし、身体のリズムに影響を与える【エストロゲン】と子宮を整えている【プロゲステロン】という二種類のホルモンが存在しているらしいので、エヴァンゲリオンでいったら、初号機の碇シンジと碇ユイのようなものであろうと思う。その二つのバランスがとれていてこそ身体共に平穏でいられるのだ。
私のホルモンの性格はこうだ。
・普段は大豆製品を欲しがる(大豆イソフラボンはエストロゲンと似た働きをするらしい(ホルモンは増えないため))
・排卵期は超絶眠くなる(急にネガティブになる)
・生理前は性欲が高まり肉が食べたくなる。(つまり野性的になる)野性的になるため無謀なことをやりたくなりがち。
・生理後は落ち着き、身の回りを綺麗にしたくなる。(細かいところの掃除をしがち)食欲がそんなになくなるので痩せがち。(ただし1週間ほどで終了)
などパターン化しているので、自分で自分を攻略すれば、このホルモンの猫のように気まぐれな動きを上手に乗り切ることができるのである。いつか箸でハエを掴めるくらいまでになれるかもしれない。
10代の頃は特に、そんなことを考えもしなかったので、若きホルモンがやんちゃな操縦をするのに身を任せ、見えない敵と戦っているかの如く、泣いたり笑ったり、時には体が勝手に動く感覚に思考がついていかず、苦しい思いをしたことも沢山あった。世の男性も、『えっ?!なんで?!』というくらい移り変わる女性の心の変化に驚いたこともあるかもしれない。
極端な話、さっき魅力的に見えていたものが、今はもう嫌いなのだ。
そのくらい変動が激しい時期が私にはあった。私の姉にも母にも友人にも見受けられたのでわりとあるのだと思う。
しかし『女』を長くやっていると、これを上手に受け入れることができるようになり、ようやく精神も身体も楽になっていく時が来るのだ。
きっと、そんな体と心のバランスの不調和に、悩んでいる女性も多いと思う。
ホルモンよ、悲しいことがあっても、怒り狂うことがあったとしても…ほら、キミの好きなものをコックピットの中に届けてあげるよ…だから、元気だして。
そう言いながら、野菜とかバナナとか納豆とか食べて沢山寝て、時には寄り添って、一緒に怪物を退治していって欲しいと思う。
女性が彩るドラマは、だからこそ四季のように美しいのだから――。
最初のコメントを投稿しよう!