ネーミングセンス

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ネーミングセンス

私にはネーミングセンスがない。 皆無である。 例えば私の愛してやまない、故さくらももこ先生のネーミングセンスは脱帽ものだ。 『さくらももこ』という名前からしてすでに素晴らしい。 『さくら』と『もも』が合体することによって、可愛らしさや温かさ、縁起の良さまでが、たった6文字で表現されているのだ。 そう、ネーミングセンスのある人は、たった数文字で、その人間の雰囲気、心意気、センス、はたまた情熱やおもしろさまでもを一発で相手に伝えられるのである。 それなのに私は、小説を書いたりするのが趣味のくせに、【題名を考えられない】。小説の題名だけではない。Twitterの名前なども、しっくりくるまで相当考え込む癖があるのだ。そして実は未だにそんなにしっくり来てはいない。 今回のこの、エッセイの題名を考えるにあたってもそうだ。 例えば、『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『ひとりずもう』など、やはりさくらももこ先生の本のように、センスよくいきたいところだ。 しっかり縁起の良さも入れていきたい。 そこで、 【1富士2鷹3なすび】をモジり、『富士山』『ありがとなす』を思いついたが富士山はさくら先生が使ってたし、まずエッセイだと伝わらない。 さくらももこ先生だからこそ、タイトルをちょいと遊んでも大丈夫なのだ。私のような素人がちょいと遊びたい心のままにタイトルをつけたって、誰も振り向いてはくれないのだ。そこを抑えつつ、ちょっとほんわかした題名が良い。 歌手の例でいけば【Ado、YOASOBI、Mr.Children...】、カッコいいしパッとイメージが湧く。ゲーム実況者でいけば、【のばまん、オダケン、ヒカキン、平成ヒッピー...】なんとなく性格まで表現しきれている。漫画のタイトルでいけば、【ワンピース、HUNTER×HUNTER、呪術廻戦...】今出した名前はほんの一例だが、とにかく語呂とセンスがいい。 とにかくもんもんと、丸一週間、このエッセイの題名を考え続けた。 寝る前も考えていたので、とにかく悪夢を見てしまった。 得体の知れない者が襲来し、12月31日の夜から、つい昨日まで何度も殺されそうになる羽目になってしまった。死ぬ寸前で場面が切り替わり、また死ぬ寸前で…を繰り返すという…初夢からつい昨日までそれだったのだから憂鬱である。 とにかくカッコよくはなくていいから、数文字でほんわかできて、私という人間をパッと表現できて、尚且つ縁起が良さげがいいのだ。 【オモコロ】というWEBメディアのコンテンツの一つ、 【文字そば】なんて超理想である。 〈だいたい1000文字でつるりと読める、文字そばです。〉 というキャッチコピーなんて流れる石と書いて流石でしかない。プロは凄い。 活字への渇望欲求がそそられるのだ。一発で。 そこまで考え込んだ一週間で出た題名が、 【ゆかいな日常】【ゆかい倶楽部】【愉快愛好倶楽部】【もふもふパーティー】【もっちりもふもふ】【もっちりもふタイム】【もっちりもふもふメニュー】などで、私の思考回路の限界を感じたので、結局、 【モフい時間】 に決定となりました。 誰かネーミングセンス抜群の人いたら、いい名前つけてくれないかね。 可愛くてほのぼのできて縁起よさげのやつをさ...とほほ。
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