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おばあちゃん!昔のお話聞かせて!」
「あらぁ……じゃあ、おばあちゃんの初恋の話しでもしようかしら。あーちゃん聞いてくれる?」
「うん!おばあちゃんの話大好き!」
「これは私が16の頃のことなの……」
おばあちゃんは自分の『初恋』を愛おしそうに語った。
……それはもう何十年も前の話。おばあちゃんは恋より文学が大好きな少女で毎日のように本屋に通いつめていたそうだ。周りの女の子たちが男性に興味を持ち恋に花咲かせていたが……どうしても同じ気持ちにはなれなかったらしい。
「その頃はね、新しい世界に飛び込むのが大好きだったの。本はたくさんのことを教えてくれるでしょう?だから止められなくて……今では少し……後悔もしてるのよ?同年代の女の子たちともっと話しておけば良かったって……」
おばあちゃんは笑いながら言った。
そんなおばあちゃんに新しい風が吹いたのは一瞬だったのだと言う。
まさに『運命のいたずら』……
『恋の風』。
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