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しかし、そう語る貴史の笑顔がむすび丸と重なって、再び行き場を失った絶望感に胸が締めつけられ、涙ぐむ自分に気づく。
美沙紀には、出口の見えない、苦悶から抜け出せない日々が続いた。
震災翌年の5月、そんな美沙紀に一通の文書が届いた。
高校のクラス会の案内状だった。
中を開くと、震災から一年が過ぎたこともあり、一度みんなで顔を合わせたいという趣旨の文面が添えられ、今年の8月に開くという日程が記されていた。
美沙紀はためらった。
高校の同級生たちは大丈夫だったのだろうか。
思えばあの震災以降、親しかった何人か以外、どうしているのか知らないままだった。
みんなのことが気になった。
でも、会えばいやでも高校のときのことを思い出す。そして彼との、今となってははかない思い出も。
出席すれば、そして同級生の無事を確認したらしたで、また彼と会えない辛さにさいなまれかねない。
それでも、一方で何とかしなければという焦りが心を揺らし、最後は出席しますと回答を送った。
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