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男性は、貴史たちより幾分年上で、顔は細いが肩幅は広く、背が高い。
その隣には、肩にかかるつややかな黒髪に瞳の大きな目が印象的な女性が寄り添っている。
「君たちは、確か石巻高校の平成21年卒だったね」
貴史は、男性の方に身体を向けた。
「そうです。あなたは、えーっと」
隣で悠介が、知らないってことないだろと怪訝な顔をしながら、男性の代わりに答えた。
「高校の先輩の松島さんだよ。6年も上だけど、甲子園行きも期待されたときのスラッガーとして、俺たちの間でも語り継がれていた有名人だよ。そして、隣が奥さんの亜珠沙さん。結婚する前は野田さんで……」
さらに続けそうな悠介を遮って、貴史は「こんにちは。岩崎貴史といいます」と、初顔合わせのような挨拶をした。
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