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千畳川部落には、古くからの風習がありました。 それは、二十歳になると中央役所に結婚申請書を届け出ることが出来るのです。 申し込まれた者は、それを不服と思えば、審議会に申し立てが出来るのであります。 審議会のメンバーは、千畳川周辺の村人からランダムに選ばれていました。 不服の申し立てが正当な理由であれば、審議会委員の多数決で決定されるのであります。 この風習は、千畳川部落が過疎化しない為のものでありました。 住所変更もなかなか受理されないのであります。 そんな風習が現代でも残っていました。
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