プロローグ

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2050年 日本では少子化と婚姻率低下の解決案として政府主導のもと婚活サイトを提供する。 これまでの婚活サイトと決定的に違うのは“遺伝子検査”を元に行われるということだ。 AIを使用した婚活サイトであればいくつも存在してきた。 それは本人から相手の好みや理想などを聞き出すだけではなく、好みの顔を人工知能に学習させそれをもとに条件のいい人を紹介するというものだった。 しかし、少子化に歯止めがきかないかつ結婚する若者が減少している現在、政府は遺伝子結婚という突飛な婚活サイトを提供することにした。 元々遺伝子を解析し将来のがん予防、治療に役立ててきた。 それを“結婚”に利用する。 20歳以上の未婚であれば登録可能であり、遺伝子レベルで“相性”のいい人が見つかった場合、会う機会を与えてくれるだけではなく何と結婚をすると3000万が支給される。 しかしこれには条件がある。 最低5年は一緒に住まなくてはいけない。 もしもその間に別れたり違反行為があった場合は支給額の半額を返金しなくてはいけないという条件がある。 デメリットはもちろんあるが、それ以上のメリットを感じる多くの若者が登録をした。 ―遺伝子レベルで相性のいい相手がいると信じて
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